《販売中》
超音波カッターで溶着
溶着刃ZH38
溶着棒ZH54
溶着刃 ZH38
【対応機種】ZOシリーズ全機種・USW-334
(S-Highモードは使用しないようにしてください。)
【サイズ】25×先端2×0.4(mm)
【材質】高速度鋼SKH
【固定具】ZH04
溶着棒φ2 ZH54
【対応機種】ZOシリーズ全機種
(S-Highモードは使用しないようにしてください。)
【材質】チタン
【固定具】ZH53
※ハンドピースにセットすると11mm短くなります。
替え刃紹介 溶着刃2mm ZH38フィルムを溶かし溶着するために開発された替え刃。平板と同様刃の無い替え刃であり実は平板2mmとは刃の長さ等含めて見た目のサイズは全く同じである。ただし平板と異なり接触部分の角が落とされているため、なめらかに溶けが生じるのが特徴だ。 なお溶着力は抑えられており薄いビニール等は溶かして圧着できるが、クリアファイル程度の厚みになると溶着は難しい。 |
今回の記事では超音波カッターZo-80を使用。すべてノーマルモードで加工している。
溶着加工とは
溶着とは素材を溶かし、接着する加工方法。今回は簡単な例としてPP(ポリプロピレン)の袋を用意して溶着を試してみた。使い方はいたって簡単で刃を真上から押し当てながら、少し力を加えることで刃の接触面を溶かしていく。刃の加工方法の違いなのか、他の替え刃を使っている際の感覚よりもゆっくりと溶けていく。
今回の例のように一定間隔で圧着し、ミシン目のように加工することで、溶着した部分の接着具合を弱くして見た目的にもわかりやすく開封しやすいちょっとした商品の梱包や仮止め等に利用することもできるだろう。もちろん溶着部分の見た目にこだわらないのであれば、さらに加工を続けて完全に溶着することも可能である。
少し厚めの素材としてはエアキャップの溶着も可能。ただし溶着対象が重なるためか、かなり浅く溶着されるために、ほんの少し力を入れるだけでつなげた部分が外れてしまうようだ。
その後も、様々なものの溶着を試してみたが、溶着するフィルムの厚みが増したり、ブリスターやクリアファイル程度の厚みのものになると溶着するのは難しいことがわかった。
溶けを利用してプラスティックを加工する
次に溶着刃をプラスティックの加工に用いてみよう。試しにプラスティックに溶着刃を当ててみたところ、ゆるやかに溶けることがわかった。
試しにプラモデルのランナー(約3mm)の切断を試みた所、ゆっくりとランナーを切断(標準刃に比べ約1.5倍の時間)することができた。つまりゆっくり切断したい/加工したい部分では標準刃より溶着刃の方が扱いやすいこともあるということだ。
標準刃
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溶着刃
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また加工時間の差は切断面にも影響していた。標準刃では溶けた部分がランナー外に大きく広がりはみ出しており、切断面も波打っていた。対して、溶着刃で押し切ったものは溶けが少なく、切断面も比較的整っている。また、ニッパーで切断したものと異なり、上下から圧力を加えるわけでは無いので、切断面が白化しにくいのもポイント。
使い方や用途にもよるが、単純に切り離す作業の場合は短い時間で切断できる標準刃。標準刃では切れ味が良すぎると感じた場面や、ある程度ゆっくりとプラを切り出したい場面。さらに破損しそうな薄めのパーツをランナーから切り離す際に溶着刃は大いに効果を発揮することだろう。
次に溶着刃の特性を活かしプラスティックでの造形を試みた。
要は溶かしたプラを盛り上げる等して、パテのように造形してしまおうと言うというわけ。
今回は3mmプラ棒に対して溶着刃を使用。平らな部分を真横に滑らせて溝モールドを掘ったり、彫刻刀のように彫り込み、溶けたプラを盛り上げる等の加工を試してみた。
溶着刃での加工はゆっくり素材が溶けるためか素材が熱を持ちにくく、保持する手に熱も伝わりにくい。また、同じ部分を長く加工しても焦げも少ないためいろいろな用途に利用できそうだ。ざっと思いつくのは小スケールのミリタフィーフィギュアの服等の加工や、部分的にプラを溶かして盛り上げる等の加工。使いこなせば同色のランナーを当て溶かしながら欠けたモールドを補ったり、パーツを追加する等の加工もできそうだ。
溶着刃2mm 平板2mm
最後に平板が得意とするダメージ加工を行なった。
1mm厚のプラ板に対して、彫刻刀で彫る要領で加工。比較のため、外見がそっくりな平板2mmを用意し同作業を実行した。結果はご覧の通り。
左が溶着刃2mm、右が平板2mmによる加工だ。
一見すると違いがわからないが平板では削り重ねた部分がややエッジが立っているのに対して、溶着刃の削り重ねた部分はなめらかになっているのがポイント。溶着刃は熱ダメージ、平板は爆発ダメージに向いている……と書くとイメージしやすいだろうか? わずかな差に見えるが、ダメージ表現に2本の替え刃を使い分けることで、より説得力のあるダメージが表現もできるだろう。