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超音波とは

エコーテックや本多電子の基幹技術である超音波。超音波技術は様々な用途に利用できる素晴らしい技術です。このページでは、その超音波についてご説明いたします。

超音波の原理

わたしたちが普段会話をしたり、音楽を聞いたりできるのは音の伝わりによるものです。

その会話や音楽などの「人間の耳で聞こえる音」は、約20Hz(低音)のから20,000Hz(高音)の範囲と言われています。
※Hz=ヘルツ

その範囲の外の音、つまり約20Hz以下の低い音と、約20,000Hz以上の高い音を「超音波」と定義できます。

超音波の特徴としては以下が挙げられます。

  1. 超音波は気体<液体<固体の順で、より速くより遠くへと伝搬する。
  2. 液体や気体中は縦波だけが伝わるのに対し、固体中は縦波の他に横波や表面波が存在する。
  3. 超音波は小さい変動位でも高い音圧と強力なパワー密度を持つ。

これらの特徴を利用することで、超音波は様々な分野で活用できる技術となるのです。

超音波は音の一種

超音波は、人間には聞こえませんが「音」の一種です。一般に音とは、空気の振動のことを指します。

物が振動すると、その周りの空気も同じように振動します。その振動が広がり、音として伝わります。

人間の声であれば、のどにある声帯を震わせることで空気を振動させ、音を出します。声帯で発生した音は喉で反響し、声として発声されます。

人間は、300Hzから4KHzの周波数帯の音を声として発しますが、聴くことのできる音(可聴音)はそれより幅広くなっています。

その可聴音の範囲外にある音を超音波と呼びます。

ただし、聞こえないだけで「音」であり、言い換えるならば「聞くことを目的としない音」となります。

超音波は音の一種

超音波の特性

超音波を含む「音」は、気体、液体、固体などを媒体としてその中を伝搬します。そして真空中では伝わりません。

また、媒体により伝わり易さが違います。

気体<液体<固体の順で伝搬効率が高くなり、速度も速くなる傾向があります。空気中の音速は約340m/秒ですが、水中では約1,500m/秒になります。

音は均質な媒体中では直進しますが、音速が異なる物体との境界面で反射します。魚群探知機や医療診断装置ではこの性質を応用しています。

そして、超音波は可聴音に比べ指向性が鋭く、周波数が高いほど鋭くなります。例えば医療診断装置に使う場合など、ピンポイントでの計測が可能になり、細かなところまで見ることができるようになります。

超音波の特性

動物も超音波を利用しています。代表的なのはコウモリとイルカです。コウモリは喉から超音波を発してその反射によって対象物までの距離や方向、動きや大きさを認識します。また、イルカは呼吸器を使って超音波を発生させ、発信・受信に利用しています。

超音波を出すには

それでは、超音波はどのように発生させるのでしょうか。超音波を出す方法をご説明いたします。

超音波は、圧電セラミックスを振動させることによって発生する

“音”は物が振動することによって出ています。それは超音波についても同様で、振動によって発生します。振動を発生させる方法は色々とありますが、電気エネルギを振動のエネルギに変える『圧電セラミックス』を用いる方法が広く用いられています。

圧電セラミックスは、高純度な粉体(酸化チタン・酸化バリウム等)を高温度で焼き固めた多結晶体セラミックスです。

圧電セラミックスに音や振動を加えると電圧が発生し、逆に電圧をかけると振動します。

この性質を利用して超音波を発生させるのです。

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超音波を出すには

超音波の反射を利用する

超音波を含む「音」は反射します。例えば空気中であれば秒速340m。この速度と反射を利用して距離を測ることができます。

超音波を反射させるのは、高周波であれば指向性が鋭いので、大変利用しやすくなっています。もちろん人間の耳には聞こえないので、大きな音を出しても影響がありません。

水中でも伝わりやすいので、海中や人間が入れない液体の中も計測することができるのです。

超音波の振動を利用する

超音波は反射だけでなく、その振動エネルギーも様々な用途に利用されます。小さな振動変位で高い音圧と強いパワー密度を持っているので、エネルギーとして利用することもできます。

その代表的な応用方法は以下となります。

  1. 洗浄
  2. 霧化
  3. 溶着
  4. 切断

これらを簡単に説明いたします。

1. 洗浄

超音波を照射させると液中に周波数に応じた定在波が発生し、1/2波長の整数倍ごとに汚れが良く落ちる箇所が発生します。この部分は圧力変化が大きく、キャビテーションといわれる泡の発生、崩壊が激しく繰り返されます。この崩壊時に非常に高い圧力が発生します。右図では音圧の腹となる四角く囲った箇所がそうであり、音圧が最も高く、汚れが良く落ちます。

眼鏡を洗うときに使う洗浄機は超音波を使用しているものが多くあります。

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2. 霧化

液中から液面に向けて超音波を照射します。

液体の表面張力を超えて規則的に分裂させることで液体を霧状にすることができます。数μmの細かい粒子として空中に飛散させるため、周囲をほとんど濡らすことなく消臭液を散布できます。また、簡単に霧が作れるので庭園の演出などに利用することもできます。

家庭用の加湿器にも同じ原理のものがあります。

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3. 溶着

超音波による繰り返し応力を素材に伝え、材料間で摩擦熱を発生させて溶着します。金属針やヒータを使わないため安全であり、接着剤や溶剤も不要です。また、接合境界面のみ溶融するので、製品の変形や内容物の変質がほとんどありません。そのため、食品、農産物のパッケージ留めに最適です。

スーパーで売られている卵のパックなどに多く使われています。

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4. 切断

刃先を高速振動させて刃物と切断面との摩擦力を少なくして切れ味を向上します。そのため、軽い力で滑らかなカットをすることができ、きれいな切断面に仕上げることができます。また、音がほとんど出ません。ただし、振動は刃の補助的な役割をするだけなので、切れる物は刃の材質に大きく影響されます。

ホビークラフト用の小型の物から、ケーキや巻き寿司の切断に使われる大型の物まで多くの種類があります。

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さらに詳しく知りたい方へ

ここまでできるだけ簡単に超音波について説明致しました。ただしここに記載したのはまだまだほんの入口です。

さらに詳しく知りたい方は、本多電子株式会社Webサイト中の「超音波ハンドブック」をご覧ください。

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