超音波カッターZO-41・41IIで電源ランプが点滅する原因
超音波カッターZO-41・41IIで電源ランプが点滅してしまう💦
何度かブログでもご紹介していますが、すぐにわかるようにして欲しいという要望があり、刃固定具のメンテナンスページだったこのページに追記しておきます。
何故、本体電源ランプが点滅するのでしょうか?
(※ZO-80・80IIの場合は、本体【Alarm】警告表示が赤点滅してしまう状態)
それは、内部回路を壊さないため、保護機能が働いている為です。
2006年モデル(廃番)ホビー用超音波カッターUSW-334では、刃固定ビスが緩み、異常電流が発生した際、内部部品が破損する現象がありました。
そのためZO-41開発時に、異常電流を検知し、回路破損を防止する保護機能を新たに開発し、本体電源スイッチランプを点滅させることで部品が壊れる前にお知らせするようにしています。
保護機能が働いてします要因は、大きく5つあります。
■ 第1位は、刃固定ビスの締付不足!
■ 第2位は、刃固定具の汚れ、ホーン内部の汚れ
■ 第3位は、力の入れすぎ
■ 第4位は、振動子の劣化
■ 第5位は、指定以外の違う刃を使う
それぞれの解決策と修理依頼の費用概算をご紹介します。
第1位は、刃固定ビスの締付不足!
刃固定ビスの締付不足は、刃を交換した時などに発生します。
ご購入後1年以内であっても、締付不足はお客様の取り扱い不備になります。
しっかり適正トルクで締付けるだけの修理作業ですが、無償修理対象外となり、有償修理扱いになります。
しっかりと締めて頂ければ良いのですが、使い始めの頃は、ビスが舐めないか不安で、弱めに締めてしまい緩みが発生するようです。
※不具合で帰ってきたものを見ると、0.6N・mに対して0.2N・mという方もいます。
動画を見て締め付け具合をご確認下さい。
超音波カッターは、ビスが緩む方向にビスがきってあります。逆にすると食い込んでしまい、ビスが外れなくなる為です。毎回使う前に、増し締めをしてビスの緩みをとるようにして下さい。機種は違いますが、締め付けの説明ビデオがありますので、そちらを紹介しておきます。
本来は、トルクドライバーを全数製品に付属したいのですが、価格高いこともあり別売りにしています。今までに3種類のトルクドライバーを販売していますのでご紹介します。
・日本製KANON トルクドライバー:\16,800+税※販売終了
・海外製 ZH25S トルクドライバー:\9,500+税※販売終了
・海外製 ZH25T トルクドライバー:\7,600+税※販売終了
修理依頼の場合、点検費が発生します。
受入点検費4,620円+清掃1,540円+送料1,100円+代引330円+(刃固定金具1,540円)
■予算があれば、トルクドライバーZH25T2 8,360円(税込)をおススメします!
商品のご購入はこちら
第2位は、刃固定具の汚れ、ホーン内部の汚れ
締めつけが弱い状態で使用すると、刃固定金具の側面やホーン内部が黒くなりやすくなります。黒く汚れが付着した場合は、しっかり締めても緩んだ状態と同じようにしっかりと振動が伝わらなくなり、電源ランプが点滅しやすくなります。電源ランプが点滅したり、刃固定金具が割れる場合などは、ホーン内部をメンテナンスセットSB01を利用して清掃して下さい。
(左:ZO系、右:USW-334系)
上側 ホーンに当たる面が黒くなっている。
下側 比較用として新品
ホーン内部の清掃に関してメンテナンスセットの使い方を動画で紹介しています。
メンテナンスセットSB01
ホーン内部を掃除する為の棒とヤスリ3枚が入っているセットです。
SB01用の追加ヤスリ10枚 SB02
※ルーターなどで内部を削るとホーンと刃固定金具が当たらない部分が出てきます。
当たる部分が少なくなると、オーバーヒートや異常電流で止まるなどの症状が出やすくなります。必ず、専用のメンテナンスセットで清掃をお願いします。
第3位は、力の入れすぎ
超音波カッターZO-41は、切断しづらい材料は自動的にパワーを上げていく回路(ソフト)になっています。徐々に力を入れていけば、それに追従してパワーが入りますが、いきなり力を入れると、スリップしたような状況になり、監視している範囲から外れると、異常とみなし、電源ランプが点滅します。
ジジジと変な音がしている場合(例えば、刃を挟み込むような木材など)は一旦力を抜いて徐々に力を入れるようにして下さい。
第4位は、振動子の劣化
超音波カッターZO-41ノーマルモードで利用する事が基本となっています。先日もひょうたん加工の方の事例で紹介をしましたが、ハイモードを多用していると熱による振動子劣化が早まり、ノーマルモードであっても、ハイモード以上の切れ味になっていきます。
ビスの緩みがある状態でハイモード利用が劣化を早めますので、上記1位、2位、3位に関係する事ですが、ハイモードですぐに点滅してしまう場合や刃固定金具が頻繁に割れるなどの症状が出た場合は、ホビー用超音波カッターでは作業内容があっていない事が考えられます。
ハイモードを多用する場合は、上位機である超音波カッターZO-80IIをご検討下さい。
第5位は、指定以外の違う刃を使う
超音波カッターZO-41シリーズには、お客様からご依頼のあった替刃を40種類以上ご用意しています。しかしながら、すべて駆動周波数にあった長さ・形状・重さがあり、波形を確認して製品化しています。評価していない自作の刃や他社製の刃を利用しますと、動作異常となり、ハンドピースの温度上昇を警告するランプが点滅したり、回路の異常を示す、電源スイッチランプの点滅が発生します。
こういった刃が欲しいという要望がありましたら、お気軽にご相談下さい。
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工業用で利用されていた超音波カッターを2001年にホビー用として世界で初めて発売を開始しました。多くの造形師、プラモデルを製作する方などの要望を少しずつですが聞き入れ、改良を重ねて来ました。
このページを最後までお読み頂き、締め付け部分が一番のキモだとお分かり頂けたかと思います。少々、メンテナンス、取り扱いが面倒な機械ではありますが、手間をかけて頂いた分、製作時間短縮にきっとお役にたてるツールだと思っております。末永く、製作ツールの1つとしてご愛用頂ければ幸いです。