いよいよ新学期が始まりましたね！

夏休み中もお会いしてたので、
そんなに久しぶりでもありませんわね。

まといが居ない……

そういえばまといちゃん、遅いねぇ……？

いやー、まいったまいった。

まといちゃん、どうしたの？

まさか夏休みの宿題をサボって先生に怒られた、
とかそんなお約束では……

ちがわい！夏休みの宿題をやったは良いけど、
他人のを写したことがバレて、再提出＆補習になったんだよ！

ダメ人間……

さすがまといさん、期待を裏切らないキャラクターですわ。

うっさい！

まぁまぁ、相変わらずの4人が揃ったところで、
早速、新学期の部活動を開始しましょう！
今回はご当地レポートはお休みして、
超音波カッター講習会をしたいと思います。ふふふふふ……

ぉ、なんか模型部らしいな。

超音波カッターを使いこなしているのは、
つむぎさん、せりさんだけですものね。
私も何回か触たことはありますが、
正しい使用法に興味がありますわ。

そこで、今回は超音波カッターとはなんぞや？　という基本的な話から使い方までの、「もけ部」超音波カッター使用法「基礎編」をお教えしましょう！

それではあらためて、皆さんは「超音波カッター」って
どんな機械だと思いますか？

いやっ！　そういう話ではなく、
どういう機能のツールかって話です！

そうですね、固いものでもよく切れる、とか？

漫画やアニメだと超音波で振動する刀って、すごい切れ味だよな。

はい、その通り。
超音波カッターはカッターの刃先を超音波で振動させて、
通常切断しにくい固いものも
楽に切断できるようにするツールなんです。
ただ、それだけだと誤解されることが多くて……

誤解？

まといちゃんが言うように漫画の影響もあって、
「超音波カッターに切れないものはない！」
みたいな印象を持たれることが多いんです。

……電動アシスト自転車も自転車、100km/hでは走れない……

それと同じで、
先端についているのはあくまでカッターの刃先なので、
刃物で切れないものは切りにくいんですよね。

でも、切りにくいってことは、切れない事はないんだろ？

そこは少々微妙なんですが、そういう場合は正確には
「刃で切っている」訳ではなく「振動で削っている」んです。
超音波カッターは振動の力も強いので、材質によっては刃がなくても
振動だけで切れたり削れたりしちゃうんですよ。

○カッターの刃先で切れる物が良く切れる

▲刃がなくても振動の力だけでも切る事は可能

×カッターで切れないものを切るのは基本的に不可能（まれに振動だけで削り切る事はある）

は〜、超音波の力ってすごいのですね。ただ、カッターとしての力を正しく発揮するのは、刃先で切れるものを切る時、という事かしら？

ふぅん……電動歯ブラシみたいもんか？
力の要らないカッター的な。

その通り。
ただ、普通のカッターと使い勝手が真逆の部分もあります。
まといちゃん、カッターで何か切る時はどうやって切りますか？

こうやって刃を当ててスパっと。

……超音波カッターはスパッとじゃ駄目……

そう、超音波カッターは使い方にコツがあって、
普通のカッターの様にすばやくスライドして「切る」のではなく
材質に「押し当てる」感じに使うんです。

あらあら本当。材質に当てているだけで、なんの力をいれなくても
ジワジワと材質に刃が入り込んでいきますわ。

試遊会で見ていると、普通のカッターみたいに
スーッと刃を動かしちゃう人が多いんだけど、
それだと「思ったより切れないな？」って感じちゃうんだよね。

父ちゃんの工場にある電動ノコギリとか、
ミシンで縫うみたいにゆっくり刃をスライドさせればいいのか。
押し当ててるだけでいいんだから、こりゃ楽だ。

そのままだと溶ける……

へ？……あぁ、ホントだ！　切り口が少し溶けてきた。
これってヒートカッターの機能もあるの？

超音波カッターを使う時に気を付けるべきポイントが、
その「溶け」です。
実は超音波カッターは「発熱させる機械」ではありません。

でも、実際に溶けてますわよ？

もちろん、電気機器なので、通電の抵抗から発熱している部分はありますが、 原因の一番は「摩擦熱」と言われています。

……エコーテックの超音波カッターは、秒間4万回振動……
（※ZO-41の場合）

そりゃ、1秒間に4万回も擦ったら溶けるわな。

結果的に熱が発生して溶けるのは変わりないので、
溶けそうで溶けないくらいの所で刃を動かしてください。
そうすれば、素材を少しだけ溶ける所で切る事も可能です。
（※溶かさず切る事はたぶん無理だと思います。）

大丈夫、そのうち慣れる……

押し当てているだけだと、少しづつ溶け始めてしまうんですのね。

溶けるか溶けないかのギリギリで
刃を動かすのがコツってことか。

※当て続けると超音波振動の摩擦で溶けが発生

※溶ける前に切り終わる事で綺麗な切断面にすることが可能

もちろん使い続けると刃に熱が残って、熱に弱い材質はどうやっても多少溶けてしまいます。切りたい対象の材質には注意が必要です。

ええと、プラ系の素材には向かないのでしょうか？

そこが説明のしにくいところで、
超音波カッターの「切る」「削る」「溶ける」はいずれも
素材を切り取る機能と一体のものなんです。
だから溶ける事を想定して使う事で、
より早く便利に使いこなせるようになったりもします。

……どんな機械も同じ、慣れれば別の世界が見える……

そりゃそうだよな、アタシは普通のカッターだって
最初は上手く切れなかったもん。

それじゃあ、今日のまとめです！

意外と知らないことが多かったですわね。

便利ツールだからって、買ったその日に
使いこなせる訳じゃないってことだな。

そうなんです。この特徴はよく超音波カッターの欠点の様に言われてしまうのですが、素材に溶けが発生する事もある程度、折込済みで使う事でより強力なアシストツールとして機能（ダメージ表現など）するんです。
また、ランナーからの切断など、溶ける樹脂が少ないものは、より綺麗に切断できます。皆さんも超音波カッターを使いこなして、これからのクラフトライフをより充実したものにして下さい！