学校における次亜塩素酸水噴霧記述変更(文科省)

■詐欺まがいの案件が発生！

　取引先の次亜塩素酸を主成分とする液剤を販売している液剤メーカー様から恫喝をして金品を要求しようとする意図がある詐欺まがいの電話があったので気を付けた方が良いと連絡を頂いた。
嘘をついて人様の財産を奪おうとする人がいるのは非常に悲しい事です。
ただ、安全性試験データを取っていない液剤メーカー様は、こうした人がいるのできちんと取得した方が良いという教えなのかもしれませんね。
国産の超音波噴霧器メーカーとして、引き合いのあった液剤メーカー様に、安全性試験データのさらなる取得を今まで同様に伝えてきます。

■なんでそんな事が起きたのか？

　NITEが発表し某局が誤認するような報道をしたのがきっかけで大論争が巻き起こり、自称詳しい人が、「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸を主成分とする液剤」の区別が出来ないまま、わけのわからないことを話したり、記事にしたりしたことでさらにぐちゃぐちゃになっています。
　ちなみに、メディアは訂正記事を出したり出さなかったりです。(ひどいですね)
　中には間違った記事をWEB上でそのままにして炎上させてアクセスを稼ごうとしているサイトもあり、現在でも多くの方が悩む結果になっています。

思わぬ利点が！

　過熱していた次亜塩素酸水神話のようなものにストップがかかり、様々な質問がひっきりなしにかかってきたのがだいぶ落ち着き、とても仕事がはかどっています。
　間違った報道が出てある意味良かった思う今日この頃です。

■良かったと思う理由としては３つあります。
１．わけのわからない次亜塩素酸を主成分とした液剤が出てきていた
　　→健康被害につながる可能性があります。
２．次亜塩素酸を主成分とした液剤に本当に対応しているのか不明な噴霧器も出ていた
　　→火災などの事故につながる可能性があります。
３．本当に必要な人に届かない状態になっていた
　　→キャンセルはほとんど報道に振られている方ばかり。
　　　介護施設、病院など、今まで利用している方への安定供給が出来ない状態となっていた。

当社でも新規取引はなるべく断り、今までお取引のあった液剤メーカー様への供給を最優先にしていましたが、同様に各液剤メーカー様でも既存取引先の受注を優先している所が多くありました。
売れるからと言って、なんでも受注している所は、特需に浮かれていた結果、愛想をつかれる可能性が高いと言えます。
目に見えない「信用」や「つながり」が見えた出来事だったのではないかなと思います。

なんと、文科省　学校における衛生管理マニュアル記述変更

学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル
～「学校の新しい生活様式」～ (2020.6.16 Ver.2)が発行されました。

「次亜塩素酸水は噴霧するな」的な記載があった個所が変更されました。
転載します。
—–[ここから]———————————————————–

〇次亜塩素酸水の噴霧について
・ 「次亜塩素酸水」を消毒目的で有人空間に噴霧することは、その有効性、安全性ともに、メーカー等が工夫して評価を行っていますが、確立された評価方法は定まっていないと言われています。
　メーカーが提供する情報、厚生労働省などの関係省庁が提供する情報、経済産業省サイトの「フ ァクトシート」などをよく吟味し、使用について判断するようお願いし ます。
　なお、児童生徒等の中には健康面において様々な配慮が必要な者がいることから、使用に当たっては、学校医、学校薬剤師等から専門的な助言を得つつ、必要性や児童生徒等に与える健康面への影響について 十分検討して下さい。

—–[ここまで]———————————————————–

学校校判断にまかせるという回答に変わりました。
あの大騒ぎはなんだったのでしょうか。
保育園や学校関係で子供たちを守ろうと早くから動いていた所で、噴霧器や生成装置などのキャンセルを入れたところもあります。
再度手配しても、順番は後ろになりますが、現場の苦労がわかっているのでしょうか？
現場の方々、振り回されて大変ですが、導入検討の方は、お早めにご連絡下さい。

有効性と安全性を別問題として文章をわけるべき

私的には、有効性と安全性を別問題として文章をわけるべきではないかと思います
何度も言うように「次亜塩素酸水(及び次亜塩素酸を主成分とした液剤)」を消毒目的に使わず、あくまでも除菌・消臭どまりにして欲しいです。
消毒や殺菌は、アルコールや石鹸や次亜塩素酸ナトリウムに任せればいいんです。

今回、三重大学福崎先生が発言した、
「閉鎖系で次亜塩素酸噴霧の有無で落下菌を比較したところ、次亜塩素酸水の落下菌数は７０％減。同じ空間に人がいた場合次亜塩素酸水噴霧の有無で差は出ない。
人間という汚染源があると除菌が上手く行かない、今後の課題だ。」
を引用して、効果が出ないと発言している方、ブログを書いている方が見えます。
言ってはいけないことだと思いますが、引用して効果が無いといっている方々は、想像力が無いのか？と感じてしまいます。

仮に人がいた時に効果が無いとした場合、病院の待合室でずっと人がいる時間はどのぐらいでしょう。
介護施設の廊下にずっと人がいるのはどのぐらいでしょう。
人がいなくなった時、例えば昼の休憩時間など、人がいない瞬間瞬間で人に反応していない次亜塩素酸成分で落下菌処理が出来るということにつながるとなぜ気づかないのでしょう。

こうやって書くと、人がいないときだけスイッチを押せばいいという人もいるかと思いますが、現場にある機械を、人がいる、いないで電源の管理するほどアホな事はありません。

デンタルショーである先生から、「スプレーボトルで手噴霧をしろとスタッフにいっているのだけど、面倒なのか誰もやってくれない。だから、ほったらかしでいい、超音波噴霧器の導入を検討したい」と言って、最終的には購入頂きました。

正直、現場は忙しいのです。
暇な人、周りがなんでもやってくれる人には到底わからないことです。

なんども言いますが、消毒や殺菌は、アルコールや石鹸や次亜塩素酸ナトリウムに任せればいいんです。
撒きたくない人は、撒かなくていいから、知ったかぶりで回答するのは、質問が増えるのでやめて頂きたいと切に願います。

※余談ですが、有人化での次亜塩素酸を主成分と液剤を空間に噴霧した時の落下菌測定は、病院や食品工場などで導入前にやっている所があります。
　現場では、人が動いています。
　落下菌検査の結果、減少したので導入頂いた事例は数多くありますが、社内の菌数評価ですので外部には出してくれません。
　論文が出ていないとかすぐいいますが、自分たちの常識だけしか見ない人が多いので困ります。

　また私も駆け出しのころ、試験機関に実フィールドでMRSA菌などの空間噴霧による菌測定が出来ないか相談したことがありますが、「どれだけ危険な事かわかっているのか」と試験機関に怒られた事があります。
　簡単にエビデンスという方がいますが、ほぼシャーレ試験しか出来ない事わかってますか？

※あと、アルコール神話のようになんでもアルコールという方がいます。
　当社機械はABS樹脂を使っていますので、アルコール成分が入った液剤での拭き掃除は、樹脂にクラックが入るのでおやめください。
　当然、アルコールに弱い樹脂がある事は、知ってて言っているのですよね？
　家電・機械メーカーは、あまり言っていませんが、ケースが割れれば買い替え需要があるので黙っているのだろうか？と思う時があります。

以前にもブログで書いていますが、少ないですがファンで空気を霧化水槽に取り込んでいます。
その水槽内で除菌しているのも微量だがあるとなぜ気がつかないのでしょうか？
こういう反論だけをコピペしている方の仕事場や職場に空気清浄機が置いてあるような気がします。

ほんと、どこかのアクセス稼ぎのブログ取材にいいように利用されて、「現場を知らずに物事の上っ面だけでこの人批判をしているなぁ」と、世の中に拡散されているとなぜ気づかないのか非常に驚きます。
また、こういうブログで、人に反応するから効果が無いといっておきながら、その一方で安全ではないという事も書いてあります。
残っているものが無いのになぜアブナイと言えるのか？という矛盾に気が付かずに書いてあるブログに利用されているのを見ていておかしいとなぜ気が付かないのだろうか？と感じます。

そもそも有効性が無ければ、噴霧してはいけないのか？
噴霧だけであれば、乾燥した空間を加湿をするという利用方法があり、湿度をあげるという有効性があります。

安全性に関しては、次亜塩素酸を主成分とした液剤は、塩素ガスの濃度測定という基準があるのであれば、暴露0.5ppm以下ということが立証できれば良いと考えます。
さらに自主基準として目、皮膚刺激、経口毒性、全身吸引暴露毒性試験をおさえておくことで安全性はある程度確保できるのではないかと感じます。

で、すぐに困って言い出すのは、「消毒剤は噴霧してはいけない」。
何度もいいますが、次亜塩素酸水、次亜塩素酸を主成分と液剤は、消毒剤ではありません。
次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水（大きく3種類)、それ以外の次亜塩素酸を主成分とした液剤がはっきりわからないのであれば、だまっていた方がいいですよ。
使っている方や、若い子の方が色々な情報を調べてわかっています。

こんな感じで見解ってでないのかな？

「現在、次亜塩素酸水及び次亜塩素酸を主成分とする溶液は、消毒液ではないため、消毒目的での利用は禁止します。ただし、安全性については、労基塩素濃度基準である0.5ppm以下で運用し、安全性試験データ(眼、経口毒性、皮膚刺激、全身吸引暴露など)をもとに、学校医、学校薬剤師と厚生労働省などの関係省庁が提供する情報、経済産業省サイトの「フ ァクトシート」などをよく吟味し、消毒以外の目的(加湿や消臭など)利用の場合は、空間噴霧することは差し支えないとします。なお、児童生徒等の中には健康面において様々な配慮が必要な者がいることから、使用に当たっては、必要性や児童生徒等に与える健康面への影響について 十分検討して下さい。」

こういった方向になる事を期待、想定するならば、各液剤メーカーは、安全性試験データ(眼、経口毒性、皮膚刺激、全身吸引暴露など)をこれでもか！ってぐらいとって、エビデンスで固めるしかありません。
特に、新規参入の液剤メーカーの皆様、液剤を売りたいのであれば、試験費用を投資してやるのか、それとも撤退をするのか判断をしなければいけない重要な局面だと思います。

これは、次亜塩素酸を主成分としている液剤メーカーだけの話ではなく、銀イオン、亜塩素酸、天然系液剤など様々な噴霧をするすべての液剤に言えることと言えます。

■参考までに現場で20年近くやってきた世界初の次亜塩素酸水溶液(pH5.5-7.5/50ppm以下)対応の超音波霧化器メーカー　担当者としての個人的見解をブログで記載しています。
上から日が古い情報となります。
参考までにお読みください。
・「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(NITE＝製品評価技術基盤機構)
・NITE　次亜塩素酸水等の販売実態に関して２
・「次亜塩素酸水」の空間噴霧は行ってもよいのですか？
・世の中ってパンドラの箱がたくさんあるようで、面白いですね
・丙情報が誘導を引き起こす怖さ
・学校における消毒の方法等について（次亜塩素酸水噴霧）
・次亜塩素酸水溶液の安全性説明の発表を聞いて
・最終意思決定は、現場から一番遠い所で行われている
・超音波霧化器メーカーとしての取り組み

■超音波霧化器とは

投稿者プロフィール

三浦宏樹

エコーテックの新市場開拓担当。
ネットショップ運営でお客様と直に向き合いながら、超音波カッター・超音波霧化器の全国市場をつくっています。
熱く楽しく情報発信していきます！

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