堆積物が出る液剤を噴霧する場合の注意事項

ある液剤メーカー様から超音波霧化ユニットHMC2400の不具合が発生と連絡を頂きました。
現物が到着して見ると、振動子になんらかの堆積物があり、空焚きの時に焼損する部品が壊れているのが目視でわかります。

この液剤メーカー様は、超音波霧化器JM-200でも同様の症状があり、堆積物をこまめに取り除いてくれないと故障の原因になるという事をお伝えしていましたが、霧化ユニットでも同様の結果となりました。

少し傷をつけるととれそうなので、超音波カッターで利用している研磨砥石1000番でこすってみました。

霧化用振動子の樹脂コーティングはたぶん剥がれてしまいますが、表面の堆積物を取り除いて動作すれば、振動子の堆積物が原因とわかります。

発進基板は他のものを使い水槽に入れてみると、水柱は弱いですが、水が盛り上がり、動作しようとしているのがわかりました。

何系という事は書きませんが、超音波霧化器JM-200などで動作実験を行い、振動子表面に堆積物が出来る液剤の場合、メンテナンスが確実に出来ないのであれば、超音波霧化器では故障しますので、採用をやめた方が良いです。

新規事業は、まず液剤での安全性を確認してください。

ここ数日、様々な液剤を空間噴霧したいというお問い合わせ、相談が増えています。
機械選定前に、まず液剤の安全性を確認してください。
・急性経口毒性：問題が無いものを選定して下さい。
　→摂取すると刺激などがあるものは、介護施設などで間違って飲用した場合に事故につながります。
　→希釈タイプのものは、希釈しないものを間違って使ってしまう事故もあります。
　　現場で事故が起こらないようにするにはどうしたら良いかを考えて下さい。

・眼刺激性：刺激性が無いものを選定して下さい。
　空間噴霧しますので、目がチカチカするなど発生しないものにして下さい。
　→希釈タイプのものは、希釈しないものを間違って使ってしまう事故もあります。
　　現場で事故が起こらないようにするにはどうしたら良いかを考えて下さい。

・皮膚刺激性：刺激性の無いものを選定して下さい。
　空間噴霧しますので、毎日接触しますので、皮膚に刺激が無いものを利用して下さい。
　→希釈タイプのものは、希釈しないものを間違って使ってしまう事故もあります。
　　現場で事故が起こらないようにするにはどうしたら良いかを考えて下さい。　

・吸入による影響：吸入でも影響が無いものを選定して下さい。
　目・鼻・呼吸器に刺激が無い事を確認して噴霧して下さい。

・殺菌剤ではない事：
　殺菌剤、消毒剤は、噴霧を推奨されていません。

機械が故障するかどうかの確認は、液剤での安全性がある事が第一条件になります。
液剤が安全でなければ、空間噴霧は人や財産に悪影響を及ぼす機械となってしまいます。
使う側も売る側もきちんと液剤の安全性を確認するようにして下さい。

■参考までに現場で20年近くやってきた世界初の次亜塩素酸水溶液(pH5.5-7.5/50ppm以下)対応の超音波霧化器メーカー　担当者としての個人的見解をブログで記載しています。
上から日が古い情報となります。
参考までにお読みください。
・「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(NITE＝製品評価技術基盤機構)
・NITE　次亜塩素酸水等の販売実態に関して２
・「次亜塩素酸水」の空間噴霧は行ってもよいのですか？
・世の中ってパンドラの箱がたくさんあるようで、面白いですね
・丙情報が誘導を引き起こす怖さ
・学校における消毒の方法等について（次亜塩素酸水噴霧）
・次亜塩素酸水溶液の安全性説明の発表を聞いて
・最終意思決定は、現場から一番遠い所で行われている
・超音波霧化器メーカーとしての取り組み
・空間噴霧という言葉にも反応？
・清掃前・清掃中・清掃後の次亜塩素酸除菌水噴霧
・家庭内感染、(家族クラスター)を考える

■超音波霧化器とは