電流計ボリューム付き超音波霧化器(事例)

仕入関係の書類整理をしている時に今から10年前、平成22年(2010年)3月16日超音波霧化器UD-2000H特注改造の見積書を見つけました。
この見積書は、超音波霧化器を除菌消臭剤などを空間噴霧する目的ではなく、のり壺の乾燥防止に利用したいという普段とは違う事例でした。
記憶の中からどんどん忘れて行ってしまうので、今日は記録としてブログに書いておこうと思います。

糊が湯葉になる

ある製品の生産で糊を使う工程があり、どんどん糊の表面が乾燥して湯葉のように固くなります。
糊が固くなるため、のり壺の上の方(約半分)は廃棄する為、ロスコストを減らす取り組みとして超音波霧化器UD-2000H(現在JM-1000)が採用されました。
のり壺の表面を糊が薄くならない程度に霧を漂わせて乾燥防止するテストの結果は良好。
ただ、製造ラインのスピードに合わせて霧の量を調整したいという要望が出て、霧の調整機能を付けて欲しいという事が先方の次の依頼でした。

ラインのスピードに合わせて自動可変出来ればいいのですが、実際どのぐらいの量を噴霧すればいいのかこちらではわかりません。
そこで、１つ１つユニットを停止でき、且つ霧化量(電流値を変える)を可変できる特注機の提案をさせて頂きましたが、受注にはなりませんでした。
このユニットの電源を1つ１つ切る事が出来るスイッチは、現在販売中の超音波霧化器JM-1000に採用されています。

霧による加湿、乾燥防止は様々な場所で利用されています。
乾燥に困っている場所があれば、こうした超音波や他の方式を使った液体の微粒化技術を検討してみて下さい。

当社噴霧装置は、周波数2.4MHzという非常に高い周波数を使った超音波ユニットを採用しています。
ユニットでも販売していますので、製造設備などに利用されたい方は、下記をご検討下さい。

本当にAC100V？

この工場で今となっては大変勉強になった思い出があります。
この生産装置に超音波霧化器UD-2000Hを2台搭載して頂いたのですが、よく電源が飛んで壊れました。
納入してすぐに故障してしまい、呼び出しをくらい原因調査をしたのですが、なぜだろうか？と思い、無償修理を数回行いましたが、原因不明です。
機械の中に不明の油のようなものが飛び散っていたり、ヒューズが飛んでいます。
調査の結果、油はスイッチング電源のコンデンサが膨らんでいることがわかりました。

本当にAC100Vなんだろうか？

間の業者様も困ってしまい、許可をもらって新品を卸して再度現地に行くと、相手の品管や偉い人が製品の品質についてあれこれ言われました。
明らかに電源ラインにAC100V以上が入っているのを疑ったので、あのコンセントは本当にAC100Vなんですか？と聞いてみたのですが、間違いないとの回答。
納得できませんでしたが、新品を機械に設置。
しばらく動いていたのですが、真っ白な霧をもくもくと出し機械が明らかにおかしい状況になり
前回持参しなかったテスターを持って脚立にあがります。

よし！！

なんと、AC200Vが普通のコンセントの形の所にきていた事が確認出来ました。

そこからは工場が大騒ぎです。
工事を行った電気屋さんが呼ばれ、私たちは別室に呼ばれ、今朝言われた方よりさらにえらい人が今までの出張費や今回新たに卸した製品など全て請求して下さいと平謝りされました。

まさかと思う事が世の中にはあります。

もちろん、失敗をしたくて仕事をしている人はいませんが、念のための確認をしないで止められなかったヒューマンエラーは世の中にはたくさんあります。
その時の経験で、出張時には小型のテスターが出張用カバンに入れてあります。
見えている事だけが真実ではありません。
おかしいと思ったらとことん調べてみる事も大事です。

悩む前に行動する。

最初にAC100Vなのか？と思った時点で何も言わず脚立に上がれば、嫌味を言われる事もなかったわけですし、新品を追加で買ってもらう必要も無かったわけです。
悩んで時間が経過すればするほど、脳は行動をブロックする考えばかりを提案してきます。
5秒、いや3秒ルールで思ったら動く。
10年前の見積もりを見つけてこんな事を思いましたので、今日は紹介させて頂きました。

■参考までに現場で20年近くやってきた世界初の次亜塩素酸水溶液(pH5.5-7.5/50ppm以下)対応の超音波霧化器メーカー　担当者としての個人的見解をブログで記載しています。
上から日が古い情報となります。
参考までにお読みください。
・「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(NITE＝製品評価技術基盤機構)
・NITE　次亜塩素酸水等の販売実態に関して２
・「次亜塩素酸水」の空間噴霧は行ってもよいのですか？
・世の中ってパンドラの箱がたくさんあるようで、面白いですね
・丙情報が誘導を引き起こす怖さ
・学校における消毒の方法等について（次亜塩素酸水噴霧）
・次亜塩素酸水溶液の安全性説明の発表を聞いて
・最終意思決定は、現場から一番遠い所で行われている
・超音波霧化器メーカーとしての取り組み
・空間噴霧という言葉にも反応？
・清掃前・清掃中・清掃後の次亜塩素酸除菌水噴霧
・家庭内感染、(家族クラスター)を考える

■超音波霧化器とは