その新規参入、大丈夫ですか？

今日は、日曜日ですので、「新しい事をつくるコトリスト　マーケッターのKOUKI」としてブログを書いてみようと思います。

いつもブログをお読みいただいている皆さんは、私が色々やってきたことはご理解頂いているかと思いますが、当社は社内ベンチャーみたいな会社です。
1999年にグループ会社である超音波専門メーカー　本多電子から法人化し

「既存流通は一切使うな」
「既存商品は値引きするな」
「あとは自由にやれ」

という暗黙の制約の中であれこれどうやって売るかを模索して市場を作ってきました。

私個人としては、
・超音波加湿器の周波数を高くして粒径を細かくして、消臭や除菌という液剤だけで機能する溶液を微粒化して噴霧する「超音波霧化器」という市場を確立した。
・歯科技工・企業などで売られていた超音波カッターを、ホビー用として一般の方が購入する模型市場での販売を確立した。
などを行ってきました。

新規参入、新市場の立ち上げ実績ですが、元々あった要素技術・製品を少しだけ機械・販路を変更しただけです。
それでも今期、個人売上は3億円を超え、残り1ヶ月(決算9月)でどこまで伸ばせるかという状況です。
パートを入れて5名の会社であれば、十分利益が出ます。
個人的には、利益の先食いになるので、あまり売上を大きくしたくないと思って仕事しています。

さて、ここで注目したい点は「今まで会社にあった技術の転用」ですので、会社としてリスクがあまりありません。
しかし、最近、

「コロナだから次亜塩素酸水、電解水、その他諸々の除菌水を売れば簡単に売上が見込める」

と甘い誘惑の声を聞いて、まったく畑違いの業種の方が新規参入する事が多くなっています。
ブログで何回も同じような事を書いていますが、次亜塩素酸を主成分とした液剤(次亜塩素酸ナトリウムは除く）は、雑貨品であり、消毒液ではありませんし、魔法の水でもありません。

先日もチラシを見てびっくりしたのですが、「コロナに効く」と売っている企業がいるようですが、これは薬機法違反です。
そもそも一過性のウイルスのブームで販売をした場合、終息したらどうするのですか？
「今は売れますよ！」と装置メーカー、液剤メーカーが販売店をつくる時に、営業トークとして使う方がいますが、だったら自分で売ればいいのにといつも思います。
こういう世の中なので、売れそうだからと甘い言葉を真に受けて、今までまったくやったことの無い市場に参入するのはリスクが大きすぎます。

「何を」「誰に」「どうやってうるの」が基本です。
甘い売り込みの言葉を真に受ける前に、それらに関係する内容をネットで検索してみて下さい。
このあたりを詳しくは書くと長くなるので、簡単に下に記載しておきます。
契約書に印鑑を押す前にご自身で調べてみて下さい。

「何を」＝商品(除菌消臭剤)を調べてみましょう
　→10Lでいくらの価格幅があるか調べてみましょう。濃度も含め。
　　上代はいくらで戦いますか？
　　その粗利益だと経費をカバーするのに毎月何個売らないといけないですか？
　→違う除菌消臭剤があるのか調べてみましょう。
　　消臭であれば、世の中の消臭剤だけでなく消臭機能のエアコンなども競合です。
　　市場が大きければ、競合も多いです。
　　どこが敵になりそうですか？

「誰に」＝その液剤がどこで利用されているのか調べてみましょう。
　→自社が売った会社でもかまいません、なぜ導入したのでしょうか？
　　結果どうだったのでしょうか？
　　あなたがその市場で売る為の流通や人脈はありますか？
　　
「どうやっているの」＝競合はどうやって売っていますか？
　→御社の売り方はどうするのですか？
　　誰が？どの地域で？どの業界で？
　　今の仕事はどうするのですか？

当社は、超音波霧化器を販売する際、加盟金というものをとっていません。
価格は、台数仕切りにしていますので、1台からでも供給しています。
しかし、世の中には、卸す前に加盟金やロット発注をお願いしている販売方法もあります。
これも立派な戦術と言えます。

ただ中には、加盟金を払い、モノを購入したとたんに営業担当者は連絡がつながらなくなり、どうやって売ったらいいかわからない。という相談が当社に入る事もあります。
その時、「騙された！」と言って怒っているのですが、たぶんご自身の詰めの甘さに怒っているのだろうなぁと思いながら聞いています。
正直、慈善事業ではありませんので、超音波霧化器が当社から納入されなければ相談にのることはありません。
20年近く業界を見ていますが、組む相手(液剤メーカー)を間違えると、会社を存続したくて始めたのに、会社の死期を早める結果になる可能性が十分ありますので、慎重に判断下さい。

特に売上が上がっていない時期にこうした電話があると誘いに乗りやすいので、今なら肺炎コロナウイルスに関連した商材の甘い話はまず気を付けた方が良いです。
当社は、ネットショップで自社商品(超音波霧化器)を直販で売っていますが、販社をつかむより売れているのであれば、わざわざ販社に売り込みをかけなくても自社で最終ユーザーに売っていると思います。
その方が、キャッシュの回収も早いし一番粗利益があるのが普通だと思います。

自社ネットショップで発売しています。
・JM-200+(サービス)次亜塩素酸除菌水20L×1箱
・JM-301+(サービス)次亜塩素酸除菌水20L×2箱
※直販だから液剤がサービス出来る。

今一度、本当に参入をするのかどうか、甘い言葉に負けず真剣に考えて見て下さい。
次亜塩素酸を主成分とした液剤の取り扱いをしたが、売れなくて困って、超音波霧化器を仕入れて販売したいという方が本当に最近多いですので、今日はこんな話題を書かせて頂きました。
どなたかの心に響く事を期待しています。

■参考までに現場で20年近くやってきた世界初の次亜塩素酸水溶液(pH5.5-7.5/50ppm以下)対応の超音波霧化器メーカー　担当者としての個人的見解をブログで記載しています。
上から日が古い情報となります。
参考までにお読みください。
・「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(NITE＝製品評価技術基盤機構)
・NITE　次亜塩素酸水等の販売実態に関して２
・「次亜塩素酸水」の空間噴霧は行ってもよいのですか？
・世の中ってパンドラの箱がたくさんあるようで、面白いですね
・丙情報が誘導を引き起こす怖さ
・学校における消毒の方法等について（次亜塩素酸水噴霧）
・次亜塩素酸水溶液の安全性説明の発表を聞いて
・最終意思決定は、現場から一番遠い所で行われている
・超音波霧化器メーカーとしての取り組み
・空間噴霧という言葉にも反応？
・清掃前・清掃中・清掃後の次亜塩素酸除菌水噴霧
・家庭内感染、(家族クラスター)を考える

■超音波霧化器とは

投稿者プロフィール

三浦宏樹

エコーテックの新市場開拓担当。
ネットショップ運営でお客様と直に向き合いながら、超音波カッター・超音波霧化器の全国市場をつくっています。
熱く楽しく情報発信していきます！

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