いまは慎重に！数を増やして押し込むのはやめましょう。

新規問い合わせが増え、様々な液剤メーカー様、代理店様から相談や質問を受けます。
こういう時期だからこそ、ちょっとスピードを落とした方がいいのではないかな？と感じる事があるので、ブログに書きとめておきます。

起死回生の一手は無い

大手のリストラ報道などがあるように、コロナ禍で経済が戻っていない状況です。
あのオリエンタルランドがマイナスとは驚きです。
メディアはGOTOなど景気が復帰しているかのように報道をしていますが、現実はなかなか厳しい状況が続いています。
どうなっていくのか予想が出来ない状況であるならば、身軽な方が動きやすいと考えます。

先日、こんなことがありました。
新しく商品購入希望のＡ社から大口ロットでの発注書が8月に来ました。
仕入単価を下げたかったのだと思いますが、8月で数台出荷し、残りは9月ということでした。
A社から、A社の顧客から入金がないということで、9月に全数残りを仕入するという約束はありましたが、個人的に無理に押し込むのは好きではありませんので、10月にしましょうと提案しました。
10月も中旬になりましたが、なんの連絡もありません。
そこで数日前に電話してみました。
超音波霧化器を販売しようとしていた企業が倒産したそうで、他の商材の売掛もあったらしく、大変な状況真っ只中ということでした。

「あの時に無理に約束ですから買って下さいと言われていたら、立て替えた費用と商品の回収も　出来ずもっと大変な事になっていました。ありがとうございます。」

とお礼を言われましたが、市場の予測が読めない状況で、無理な投資、売り先のない商品を単価が下がるからといって多めに仕入れるような状況ではないとあらためて感じます。
そもそも、連絡がこないのはどうかとは思いますが、それどころではなかったのでしょう。

数量が少なく、単価はあがるかもしれませんが、無理をしないという事が、今後の時代の流れでは無いだろうか？と感じます。
夢みたいな1発逆転、起死回生はありません。
自社、自分の得意な事、得意な商流、得意な用途に対してどう販売していくかということがとても大事になっていくと思います。

次亜はアブナイから、他の液剤を噴霧

次亜塩素酸を主成分とする液剤(次亜塩素酸ナトリウムは除く)はアブナイから、天然系の除菌剤を噴霧したいという相談が来ました。
まず基本的に、「除菌剤を噴霧することは、安全性の確認方法が確立していないので推奨しない」という見解が厚労省出ていますので、すべての液剤が同じ土俵にいると思います。

「誰かが言っているから」「メディアが言っているから」と、すぐに情報に踊らされ、今まで実績がある液剤を変更することは、得策ではないとよく考えてから導入をされた方がいいと感じます。

ちなみに、1993年の設計時代から超音波霧化器に関わってきていますが、機械と液剤の相性は、「正直、やってみないとわからない」という回答しか出来ません。
新しい液剤で、超音波霧化器を取扱希望の場合は、最低1年は機械に入れたランニング試験を行う事を提案しています。

■天然系液剤の噴霧に関して

機器側からみた懸念事項を記載させて頂きます。
天然系抽出液の液剤メーカー様に供給をしていたことがありますが、問題の無いメーカー様もいますが、トラブルが発生するメーカー様もやはりあります。

１．ケースが割れる
天然成分の抽出方法によるものや、乳化方法によるもの、そして天然成分そのものが、ケースにクラックを入れた事があります。
主にクラックが入る場所は、超音波振動子を止めている振動子おさえのネジで締めている部分に集中しています。

この部分にクラックが入ると水漏れをおこす事があり、使うのであれば1年以上の経過試験を行ってからが無難かと思います。
当然、当社機械にクラックが入るということは、噴霧をしている他の機器への影響の可能性があると言えます。

２．残渣が残る
ある抽出液では、超音波振動子面に堆積物が出来、空焚き状態となり、破損した事例があります。
こまめにメンテナンスが必要になりますので、試験を行い残渣が出るようであれば、利用者側できちんと取り除く事が出来れば良いのですが、そうでなければ故障します。

また、フロートスイッチの浮きを固めてしまい、液体が無い場所で固着、空焚きになったという事例もあります。
液剤の濃度や粘度によってそういった破損につながる可能性があります。

３．パッキンが膨らむ、硬化する
アロマ液を噴霧する際、パッキンが膨らんだり、硬化した事例があります。
パッキンは、ボトルキャップ部分、振動子おさえの2か所ありますので、水位が変わる原因になったり、水漏れを起こす原因になる場合があります。

４．香りがダメな場合もある
香りを変える提案をしている所では、超音波霧化器内にある残り水で香りが混ざってしまい、ドリアンのような香りを空間に出して問題になった事もあります。
香りが機械に付着する場合もありますし、香りが苦手な方もいます。

「除菌剤を噴霧することは、安全性の確認方法が確立していないので推奨しない」というならば、アロマ液もダメなんじゃないの？とあらためて感じています。
今まで利用されている実績を調査もせず、ああいった文章がいまだ改定されないのはどうしたものかなと思います。

□参考までにお読みください。
・「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(NITE＝製品評価技術基盤機構)
・NITE　次亜塩素酸水等の販売実態に関して２
・「次亜塩素酸水」の空間噴霧は行ってもよいのですか？
・世の中ってパンドラの箱がたくさんあるようで、面白いですね
・丙情報が誘導を引き起こす怖さ
・学校における消毒の方法等について（次亜塩素酸水噴霧）
・次亜塩素酸水溶液の安全性説明の発表を聞いて
・最終意思決定は、現場から一番遠い所で行われている
・超音波霧化器メーカーとしての取り組み
・空間噴霧という言葉にも反応？
・清掃前・清掃中・清掃後の次亜塩素酸除菌水噴霧
・家庭内感染、(家族クラスター)を考える
・次亜塩素酸以外の液剤に関して

※「ジアミスト」は当社登録商標です。

■超音波霧化器とは

投稿者プロフィール

三浦宏樹

エコーテックの新市場開拓担当。
ネットショップ運営でお客様と直に向き合いながら、超音波カッター・超音波霧化器の全国市場をつくっています。
熱く楽しく情報発信していきます！

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