従来機と同等の2つのパワーモード……Normal・Highに加え、新たにS-Highモードを搭載したZO-80。
そこで今回はZO-80の実力を試すべく、同一素材をカットし3モードのパワーを比較・検証してみた。
素材として用意したのは厚さ6mmの10cm角のMDF(中密度繊維板)。本来なら鋸刃(ZH11やZH37など)を使うのが適切な素材だが、あえて通常刃を使用してカットし、両断するまでに要した時間を計測した。また素材の厚みが6mmと分厚いため、1度刃を走らせただけでは切断できないため、各モードでの刃を滑らせた回数もあわせて記録している。
■切断のため用意した素材がこちら。10cm角、厚み6mmのMDF
Normal モード |
切断時間:5分30秒。35回 |
最も時間を要したのがNormalモードでの切断。 ただし時間はかかったとはいえ、他モードに比べ作業中素材から出る煙は少なく、刃も安定して滑らせることができた。固く抵抗も強いMDF材のカットだが、計測を始めて3分28秒までオーバーヒートすることなく動作を続け、高い安定性を印象づけた。 |
Normal モードによるMDF切断面▲多少のささくれ等はあるが刃を多く滑らせたにもかかわらず、切断面の乱れも比較的抑えられている。また、他モードの切断面に比べ素材の焼けが少ない。 |
Highモード |
切断時間:1分28秒。18回 |
Highモードではより深く刃が入っていくため、Normalモードに比べて刃を滑らせる回数はほぼ半減、切断に要した時間は何と1/3以下となった。うっすらと煙を出しながらのカットで焦げも生じたが、これくらいなら許容範囲だろう。もし細かい部分の切断等も考慮するならば、最もMDFと相性のよいモードと言えるだろう。 |
HighモードによるMDF切断面▲Normalよりはやや焼けが多い。切断面は整っており、ささくれておらず熱による圧着の最も影響か光沢を帯びていた。 |
S-high モード |
切断時間:1分09秒。9回 |
勢いよく刃がMDFに食いこんでいったS-Highモード。切断までに要した時間はNormal モードと比べて3分11秒差、Highモードと比較しても19秒差をつける短かさだった。 ただ、刃を滑らせる回数は他モードと比べて圧倒的に少ない9回……実にNormalモードの約1/4、Highモードの半分の回数だった。 刃を進める速度は半分だが切断に要する時間がHighモード時と19秒差なのはS-High モードでは刃が深く食い込み刃を進める速度が遅くなったため。そのため、刃を滑らせやすい……S-High モードと相性のよい素材ならばさらなるスピードアップが見込めるだろう。 |
S-highモードによるMDF切断面▲高速で刃が振動した影響で切断面が焦げほぼ真っ黒になっている。ただし、刃を走らせた回数が少なかったためかか、切断面の乱れは3モード中最も少ない。S-High モードの1回の切断力▲MDFに1回だけS-Highモードを走らせた状態。1/3以上の深さまで刃が入っている。 |
Normalモードの長時間連続使用にHighモードの安定した作業性、さらにS-Highモードのパワー。作業するシーンによって3モードを使い分けることで、さらなる作業効率アップにつながるだろう。
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