薄く成形された球体等の湾曲したパーツは一般的なカッター等ではなかなか切断が難しい素材だ。切断面が湾曲しているため刃先が滑りやすく、無理に刃先を食い込ませようと力を加えると球体自体が変形・破損する恐れがあるためだ。しかし力を加えずに抜群の切れ味を持つ超音波カッターならどうだろう!? 今回はピンポン球を用意し、実際に超音波カッターで切断してみた。 |
さて、超音波カッターで切断……の前にまずはデザインナイフをピンポン玉の表面に押し当ててみた。切れ味の鋭いデザインナイフだが、手で直接力を加えるため球体の表面がへこんでしまった。このへこみは刃を入れた後も刃先のコントロールにも影響するため必然的にカットの難易度が上がってしまうことになる。 |
▲デザインナイフでは切断時に力を入れる必要があるため、重みのかかる刃先を中心にへこみが生じてしまう。 |
次に超音波カッターを使用して切断を試してみた。使用した刃は標準刃、パワーはNormalモードを選択した。まず動作を止めた状態で刃の先端をピンポン球の表面に当ててからスイッチを入れる。すると超音波の振動で刃先が吸い込まれるようにピンポン球へと食い込んでいく。この方法であればく、変形を最小限に抑えた状態で球体をカットすることができるようだ。 |
▲超音波の振動により、へこみは最小限に保たれた状態。刃もスムーズに内部へ吸い込まれていく。 |
刃の半ばまでピンポン玉に食い込むのを確認したら、切りたい方向へゆっくりとハンドピースを動かしてカットをはじめよう。今回使用したNormalモードであればゆっくりとハンドピースを動かしながら作業を進めることができた。時間をかけて刃を動かすことができるため直線切りはもちろん、なめらかな曲線を切ることも容易だ。今回はフリーハンドでカットしたが、あらかじめカットするラインを書き入れておけばより正確に、複雑な形をカットすることもできるだろう。 |
▲切断を開始してから1分たらずでカットは完了。ゆるくカーブさせつつカットした。▲刃先を細かく動かすことで図形や文字などの形を切り出すこともできる。 |
今回は標準刃を使用したが、球体のカットには曲面が多い部分の切断には替え刃『先丸刃(ZH09)』もおすすめ。先丸刃は、刃の面積が広く、先端がカーブしているため曲線をダイナミックにカットしやすい。 |
▲替え刃の中でも人気の高い先丸刃。特に細かい部分のカットや曲面の加工に力を発揮する替え刃だ。 |
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